貸店舗を貸す前のリスク整理

貸店舗を賃貸するにあたって
貸主の責任はどこまで?

店舗を貸す場合、住居とは違い、業種・設備・内装工事・営業許可・消防・近隣関係など、確認しておくべき内容が多くなります。 すべてを貸主が負うという意味ではありませんが、募集前と契約前の整理が不十分だと、後からトラブルになることがあります。

  • 設備と残置物の整理
  • 用途地域・営業内容の確認
  • 近隣トラブルの予防
  • 原状回復条件の明確化
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貸店舗の賃貸は、貸主側の事前整理がとても重要です

貸店舗や貸倉庫を賃貸する場合、「借りる人が決まれば終わり」ではありません。 借主がどのような業種で使用するのか、建物や設備にどこまで対応するのか、内装工事や原状回復をどのように取り決めるのかによって、貸主側のリスクは大きく変わります。

特に店舗の場合は、飲食店、美容室、物販店、事務所、福祉施設、クリニック、教室、倉庫利用など、業種によって必要な確認事項が異なります。 そのため、貸主様としては「何でも使えます」と安易に募集するのではなく、事前に条件を整理したうえで募集を始めることが大切です。

このページの考え方: 貸主様の責任を過度に不安視するための内容ではありません。事前確認・募集条件・契約内容を整えることで、貸主側の負担やトラブルを減らすための実務的な整理です。

建物本体や使用に必要な修繕に関する責任

賃貸物件では、建物を通常使用するために必要な修繕について、貸主側の対応が問題になることがあります。 たとえば、雨漏り、建物躯体の不具合、排水や電気系統の重大な不具合など、借主の使い方とは関係なく発生している建物側の問題は、貸主側で確認が必要になるケースがあります。

一方で、借主の使用方法や内装工事、過失によって発生した破損まで、すべて貸主が負担するとは限りません。 だからこそ、契約前に「貸主が対応する範囲」と「借主が負担する範囲」を分けておくことが重要です。

貸主側で確認したい内容 雨漏り、建物本体の劣化、給排水や電気容量、シャッターや出入口の状態、共用部や外壁など、建物として使用するうえで重要な部分。
借主側で整理したい内容 内装工事による不具合、業務用設備の設置、過度な使用による破損、営業に必要な追加工事、借主の過失による損耗など。
トラブルを避けるポイント 契約書や特約で、修繕範囲・費用負担・事前承諾の必要性を明確にしておくことが大切です。

設備か残置物かを曖昧にしないことが大切です

貸店舗では、エアコン、照明、換気扇、給湯器、厨房設備、看板枠、シャッター、トイレ、手洗い、棚、カウンターなど、前の借主が残したものや、建物に付属しているものが多くあります。 これらを「設備」として貸すのか、「残置物」として現状のまま引き渡すのかを曖昧にすると、故障時の負担でトラブルになりやすくなります。

たとえば、エアコンが設置されているからといって、必ず貸主が修理・交換を負担するとは限りません。 ただし、募集時や契約時の説明が曖昧だと、借主から「当然使える設備だと思っていた」と言われる可能性があります。

  • 契約前に、設備一覧と残置物一覧を分けて整理する。
  • 故障時の修理・交換を誰が負担するのか決めておく。
  • 現状有姿で引き渡す場合でも、説明内容を記録しておく。
  • 内見時に口頭で安易な保証をしない。

借主の営業許可・用途確認は、募集時点から注意が必要です

店舗を貸す場合、借主が希望する業種で本当に営業できるかどうかは非常に重要です。 飲食店、美容室、整体院、福祉施設、クリニック、学習塾、物販店など、業種によって確認すべき内容が変わります。

営業許可、保健所、消防、用途地域、建築基準法上の用途、管理規約、近隣との関係などは、借主側で確認すべき事項も多くあります。 ただし、貸主側や募集する不動産会社が「その業種で絶対に使えます」と断定的に説明してしまうと、後から責任問題になりかねません。

飲食店の場合

排気、臭気、グリストラップ、給排水、消防設備、近隣への影響、営業時間などの確認が重要です。

美容室・サロンの場合

給排水、電気容量、保健所関係、内装工事、看板設置、来客導線などを確認します。

福祉・教室系の場合

用途、消防、避難経路、近隣説明、送迎や駐車の問題が出やすいため、慎重な確認が必要です。

倉庫利用の場合

保管物、重量物、火気、危険物、搬入出、騒音、住居利用禁止などを明確にしておくことが大切です。

消防・用途変更・内装工事の確認も重要です

店舗や事業用物件では、入居する業種や使い方が変わることで、消防設備の追加や届出が必要になる場合があります。 以前は事務所として使っていた区画でも、飲食店や福祉施設などに変わることで、必要な設備や確認事項が増えることがあります。

このような費用を貸主が負担するのか、借主が負担するのか、そもそもその業種で募集してよいのかを整理しないまま契約すると、開業前に問題が発覚することがあります。 募集段階で業種を広げすぎず、物件に合うテナントを見極めることが大切です。

  • 消防署への事前相談が必要になる可能性を説明しておく。
  • 内装工事は貸主の事前承諾制にしておく。
  • 消防設備や用途変更に関する費用負担を契約前に確認する。
  • 無断改装・無断用途変更を禁止する条項を入れておく。

近隣トラブルは、貸主側にも影響が出ることがあります

店舗の場合、借主の営業内容によって、騒音、臭い、ゴミ、看板、駐車、駐輪、深夜営業、人の出入りなどの問題が起こることがあります。 実際の原因が借主にあったとしても、近隣から貸主様へ連絡が入ることもあります。

そのため、単に賃料だけで判断するのではなく、物件の立地や周辺環境に合う業種かどうかを考えて募集することが大切です。 特に住宅が近い店舗、マンション1階店舗、商店街内の店舗、駐車場が少ない店舗では、事前の見極めが重要です。

賃料だけで決めないことが重要です。
高い賃料を出してくれる借主でも、物件や周辺環境に合わない業種の場合、後々のトラブルや早期退去につながることがあります。

原状回復・造作・内装工事の取り決めは必ず明確にします

貸店舗では、借主が内装工事を行うことが多く、退去時の原状回復範囲が大きな問題になりやすいです。 スケルトン返しにするのか、造作を残せるのか、貸主の承諾が必要なのか、撤去費用は誰が負担するのかを契約前に整理しておく必要があります。

住居と違い、店舗は業種に合わせた工事が入るため、契約書や特約で具体的に定めておくことが重要です。 「退去時に話し合えばよい」という形にすると、貸主・借主双方の認識がずれてしまうことがあります。

内装工事 工事前に図面・内容・施工業者・工事期間を確認し、貸主の書面承諾を条件にしておくと安心です。
造作物 カウンター、間仕切り、厨房設備、看板、照明などを退去時に撤去するのか、残置できるのかを決めておきます。
原状回復 スケルトン返し、事務所仕様返し、現状回復の範囲、貸主承諾による一部残置など、具体的な条件が必要です。
写真記録 引渡し前の写真や設備状態を残しておくことで、退去時の認識違いを減らしやすくなります。

貸主のリスクを減らすには、契約前の条件整理が必要です

貸店舗の賃貸で大切なのは、トラブルが起きてから対応することではなく、募集前・契約前にリスクを整理しておくことです。 物件の状態、貸せる業種、設備の扱い、原状回復、内装工事、保証会社、火災保険、近隣対応などを整理しておけば、貸主側の負担を減らしやすくなります。

STEP 01

物件状態の確認

建物・設備・残置物・雨漏り・電気容量・給排水など、募集前に確認します。

STEP 02

募集条件の整理

対象業種、賃料、敷金、保証会社、火災保険、工事条件などを決めます。

STEP 03

契約内容の明確化

設備・残置物・原状回復・用途制限・禁止事項を契約前に整理します。

貸店舗を貸すときに避けたい募集方法

貸店舗を早く決めたいからといって、条件を曖昧にしたまま募集すると、後から貸主様が困ることがあります。 特に、次のような募集方法には注意が必要です。

  • 使える業種を確認せずに「業種相談」「何商可」と広く出しすぎる。
  • 設備か残置物かを整理せず、内見時に「使えると思います」と説明してしまう。
  • 内装工事や原状回復の条件を決めずに契約を進める。
  • 近隣環境に合わない業種でも、賃料だけを見て決めてしまう。
  • 保証会社・火災保険・連帯保証人などの条件を曖昧にする。

堺市で貸店舗を貸したいオーナー様へ

なごみ不動産では、堺市を中心に、貸店舗・貸倉庫・事業用物件のテナント募集をサポートしています。 募集前の条件整理、設備と残置物の確認、業種の見極め、契約条件の整理まで、オーナー様側のリスクを考えながら募集を進めます。

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